文と写真:アルシャー京子
今年に入って我が家にやってきた預かり犬の数は、すでに片手では足りなくなった。犬が好きで、犬と暮らし、子供にあまり手がかからなくなった私にとって「なぜ保護犬の預かりをしたいのか」など愚問である。
たとえ預かり犬とはいえ、いや、預かり犬だからこそ、いきなり留守番などさせなくてもよいように、推定預かり期間中の自分のスケジュールはちゃんと調整しなければならない。ある犬はたった3日で、またある犬は10日で新しい飼い主候補が見つかったり、犬によってどのくらいの日数で飼い主候補が見つかるかは差があり、(おそらくどこでもそうかもしれないが)私の周辺では小型犬ほど里親希望者が見つかり易い状況にあり、大きな犬になるほど預かり期間が長くなる傾向にある。
犬を預かって最初の3日なんてあっという間だ。我が家にやってくる犬達はスペインのカナリア諸島にある殺処分場から引き出され現地のティアハイムにやってきた犬達がほとんどで、どういう経緯で殺処分場にやってきたかなど、彼らの過去はほとんど分からないに等しく、トイレトレーニングすら期待する方が間違い。つまり預かり犬がやってきて、トイレのトレーニングのために家を出たり入ったりしているうちに、ほんとうにあっという間に3日が経ってしまう。
我が家が預かる犬達は基本的にある程度人になれた犬達だが、なにしろ人に飼われたことがない犬達だから、中には人の行動に充分慣れているとはいえない犬もおり、手を差し出すだけで退いてしまう犬だっている。そういう犬には