ボールを追い続ける犬、その行動は「依存症」なのか?

文:尾形聡子


[photo by David Pecheux]

ギャンブルやゲーム、買い物など、特定の行動に強い欲求を感じ、自分の意思ではやめられなくなる状態を依存症といいます。このような「特定の行動」に対する依存を「行動依存症」と呼ぶ一方、アルコールや薬物、タバコなどの「特定の物質」の摂取をやめられなくなるのを「物質依存症」と呼びます。

いずれも日常生活や社会生活に支障をきたしてもやめられない状態に陥ってしまい、本人だけでなく家族にも影響を及ぼすおそれのある社会的な問題です。行動依存は物質依存に比べて多様性が高く、その実態はまだ十分に解明されておらず、人以外の動物での研究もほとんど行われていないのが現状です。

犬ではどうでしょう。犬がボールなどの特定のおもちゃで繰り返し何度も遊びたがる、そんな姿は意外と日常的に見られるものです。しかし、疲れ果てていてもやめられないような状態になっているように感じることもあり、そのような状態は、モチベーションがとりわけ高いためと受け止めればいいのか、あるいはある種の物質依存症的な状態だと考えた方がいいのか…、どこから“行き過ぎ”なのかを示す明確な基準は

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