文:尾形聡子
[photo by 裕子 岡]
10年ほど前くらいになるでしょうか、犬の飼育と飼い主の健康との関連を調べる研究が増加し、犬の飼育は飼い主の健康にメリットをもたらす可能性を示唆する研究がたくさん発表され、「犬を飼うと健康になる」といった謳い文句も広まりました(藤田りか子さんの「健康になるという理由だけで犬を飼うなかれ」をぜひ参考に!)。しかし、そうした研究の結果は必ずしも一致しているわけではなく、犬の飼育と健康状態との関連性を正確に測るには、基本的な健康状態や居住・経済環境など、さまざまな要因の調整が課題とされてきました。その一つが、飼い主の精神的な側面への影響です。
身体の健康と心の健康は切り離せないもの。心理的な側面に注目した研究も増えてきましたが、健康との関連よりも結果はまちまちで、