文:尾形聡子
[photo by Jovica Varga]
ペットのいる家庭で子どもが育つことは情操教育に役立つと考えられて久しいですが、それは本当なのでしょうか?
セラピー犬と家庭犬の似て非なるところ
動物介在介入(AAI:Animal Assisted Interventions)のひとつとして知られる動物介在教育(AAE:Animal Assisted Education)活動も広く知られるようになってきていますが、そこには動物を通じて命の大切さや生き物を尊重したり共感したりする心や観察する力を育むメリットのほかに、不安やストレスを感じている子どもの情緒的なサポート、コミュニケーションスキルの向上、学習意欲の向上など、さまざまな効果があると考えられています。
家庭でペットと共に暮らすことで得られるメリットはAAEのメリットと多くの共通点がありますが、ペットと日常的に長期的に関わることでAAEよりも強い絆を形成することができると考えられます。また、日々のペットの世話を通じて持続的な責任感を育むことができる可能性が高まります。といった具合に日常生活の中でペットと暮らしていくことは、AAEと比べてより強い効果が得られる可能性はあるものの、AAEに参加する犬などとは異なり一般家庭で暮らすペットは基本的にAAI活動のためのトレーニングを受けているわけではありません。なので、その効果は個々の状況に依存すると考えられます。
たとえば、