文と写真:藤田りか子
[Photo by Carissa Weiser]
スウェーデンの犬の保育園事情その1からの続き記事、その2である。
今回は、犬の保育園を運営するにあたり、動物福祉国家として知られるスウェーデンにおけるウェルフェア基準について、AnderbergとLundin(2015)の調査結果を基に考察を行いたい。どのような環境が犬にとってウェルフェア的に適切なのか、ここから何か学べるはずだ。もちろん日本とははるかに状況は異なる。しかし、犬からしてみれば、犬は犬であり、日本にいようとスウェーデンにいようと、同じニーズを持っている動物だ。
「日本はスウェーデンと違うんです」
と頭から決めてかかり諦めて欲しくないと思うのだ。
AnderbergとLundinは、スウェーデン南部の犬の保育園および犬猫を宿泊で預かる施設を訪れ、これらの施設が農業庁が定めた基準にどの程度適合しているかを調べた結果を論文として発表している。基準に達していなかったのは95件のうち11の施設だったのだが、主にどんな部分で不備が目立ったのか、以下がそのリストアップしたものだ。