愛着だけが原因ではない分離不安〜犬の専門家の視点から見えてきた多様な背景

文:尾形聡子


[photo by Wosunan]

犬は、人と強く絆をつくることのできる動物です。飼い主の行動や感情に反応し、不安なときや心細いときには、飼い主を安全なよりどころにすることもあります。

ところが、犬は社会的な動物でありながら、現代の家庭犬は家でひとりで過ごす時間を求められるようになりました。人と密接に関わる性質をもつ動物が、日常的に「分離」を経験するという状況のなかで、広く知られるようになったのが「分離不安」と呼ばれる問題です。

飼い主が出かけると吠える、ものを壊す、粗相をする、というような行動は、分離不安行動の代表例です。けれども、このような目に見える行動だけがすべてではありません。落ち着かずに歩き回る犬もいれば、逆に動かずじっとしている犬もいます。反応の現れ方は犬によって大きく異なり、しかも「目立たない反応」は、しばしば「何も起きていない」と見過ごされてしまいます。

つまり、「分離不安」とひとことで呼ばれている現象の中身は、実はかなり幅のあるものです。問題行動なのか、病気と呼ぶべき状態なのか、それとも複数の状態を

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