犬の鼻紋、本当に個体識別できるもの?

文:尾形聡子


[photo by atalou]

人の指紋がひとつとして同じものはないのは周知の事実。同じDNAを持つ一卵性双生児であっても指紋は異なります。指紋は犯罪捜査に使われるだけでなく、指紋を用いた生体認証の技術は身近になり、スマートフォンやパソコンのログインにも利用されるようになりました。

人の指紋と同じように牛の鼻の表面(鼻鏡)のシワはそれぞれの個体に特有なもので、シワで個体識別することが可能です。「鼻紋」と呼ばれるそのシワに関する研究は古くから行われており、1922年には牛の鼻紋は一頭一頭異なることが科学的に証明されました。血統を大切にする和牛の世界において鼻紋が個体識別や血統証明に利用されているのをご存知の方もいるでしょう。

では犬においてはどうでしょうか?もちろん犬には指紋がありませんが、牛と同じように鼻にシワがあります(牛は線状、犬は網目状)。ですが、数々の研究が行われている牛とは異なり犬の鼻紋についての科学的な研究はほとんどされていません。にもかかわらず、

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